Mekong Delta 2022 

8カ国から101名の参加者でメコンデルタ2022(オンラインワークショップ)が開催

 

8月20日午後2時から、「第21回参加型改善活動を学ぶ国際リモートワークショップ=メコンデルタ2022」が、101名の参加で行われました。参加国は、アフガニスタン、インドネシア、韓国、スリランカ、タイ、ナイジェリア、日本及びベトナムでした。

30枚の良好写真を皆で投票する

午後2時、トンヌウバオチャムさんの司会でワークショップが始まりました。チャムさんは、この参加型改善活動を学ぶワークショップは、2000年から続いていて、カント医科大学、東京労働安全衛生センター、大原記念労働科学研究所のネットワークによって維持されてきたこと。昨年からはコロナ下でリモートワークショップとして行われていることを報告しました。

続いて平野敏夫代表からのスピーチがあり、「参加型改善活動は、中小企業の安全衛生活動に大きな貢献をしていて、感染症も大きな労働安全衛生リスクです。今日のワークショップを通じて、皆さんの活動を学び、このリスクを解決する道を探りたい」とコメントしました。

続いて4カ国から集められた30枚の良好写真が紹介されました。安全と健康、参加とコミュニケーション、低コストの3領域各10枚の良好事例を仲尾豊樹が紹介し、吉川徹さんが投票の説明を行ってGOOGLEフォームズを使った投票と集計を吉川悦子さんが行いました。投票結果は、各領域とも、ベトナムのホアンミークーロン総合病院改善に多くの票が集まり、同病院のフアングエンゴックさんが、改善努力したポイントを説明しました。

ソシアルネットワークシステム(SNS)を使った参加型活動の展開を報告

次にトンタットカイさんが、「トレーニング展開アプローチ PAOTの成功的な移行」と題して、ベトナムのホアンミークーロン総合病院とナイジェリアで行ってきた経験を話されました。参加型改善トレーナーを育て、SNS(Zaloや WhatsApp)を使った改善成果データのやり取りの実際を紹介されました。

川上剛さんは、「南アジアの参加型アプローチの活用 新型コロナパンデミックの中から学んだこと」と題して、良好写真やビデオを使い、リモートで参加型改善活動を多領域で進めている南アジアの活動を紹介されました。女性労働者を対象に綿花生産や産業廃棄物回収労働への展開が進んでいることを報告されました。

基調報告を受けて4つの成果報告が行われました。

ホアンミークーロン総合病院は、「メコンデルタ2019」の会場になった所ですが、新型コロナパンデミック下でも参加型改善活動を発展させ、病院管理者の同意の下全病院に活動を広めていました。3年間で231の改善活動が登録されて動いているとのことでした。

韓国からは、安全衛生マネジメントシステムを確立して、事故予防活動に貢献している報告を韓国産業健康財団のミヨンヨウさんが行いました。事故が多発する中で管理監督者の責任をはっきりさせ、労働者参加を促進させて、リスク評価を行い、リスクを少なくしていく活動が紹介されました。

Vision Zero Fund Vietnamは、ベトナムのコーヒーサプライチェーンの参加型安全衛生活動の取組みで、ILOのクリスティナクルスさんが報告しました。コーヒー農園でのWIND(農業労働のための参加型改善活動)が2022年から取り組まれ、トレーナーが育ちたくさんの農業労働改善が写真で報告されました。その活動は労働現場だけではなく家庭地域に拡大していると報告がありました。

日本赤十字看護大学の吉川悦子さんは、コロナ禍で実際のトレーニング開催が困難になる中、ZOOMなどのリモート会議ツールを使ったトレーニングが行われていること、クションチェックリスト演習もWEBサイトを通じて出来るものを開発したことを報告しました。

新しいPAOTの木が植えられた

以上を受けてグループワークを行い、参加型改善活動を促進するための3つの重要な行動について討議し、zoomのチャットボックスを使って発表しあいました。そして、小木和孝さんが会議のまとめを行いました。

新型コロナのパンデミックの中で、異なった国々や領域でも参加型改善活動の重要性が確認されたことは重要だと思います。写真コンテストとすべての報告は同じ二つの結論を私たちに見せたと思います。一つはグッドプラクティスアプローチです。これはPAOTの核となるものです。常によい事例から出発し、良い事例からたくさんのことを学び、それが未来への活動にもつながるのです。

二つ目は、コミュニケーションということです。以前からもこれは強調されていますが、今まさに強調されるべき特徴です。コミュニケーションの活用をたくさんすべきです。私たちは互いのコミュニケーションを効果的に行うことの意義を見ることができました。グッドプラクティスについても、私たちの未来の協力を話し合うときにも、そしてよい写真を収集するときにも、コミュニケーションが重要です。

本日私たちは、PAOTの新しい木を植えることが出来たと思います。これを大きく育てていきましょう。