参加者が地域や職場の良好実践事例をみつけ、そして現在の職場状況改善のための現実的な計画を作ることができるように、ワークショップのプログラムを慎重に準備することが必要です。

PAOTワークショップの準備は、以下の内容を含みます。

-トレーニング器材の準備(アクションチェックリスト、地域や職場の良好実践写真集、技術領域のプレゼンテーション用のスライドと改善計画用のシート)

-対象とする集団からの参加者集め(例,中小企業、農民、トレーニングをするトレーナー、PAOTに興味のあるボランティア等)

-チェックリスト応用を含む職場訪問の場所の計画

-ワークショップの会場の準備

-最終的なワークショッププログラム

PAOTワークショップは、ふつう以下の参加型ステップを含みます。

ワークショップの開会式とオリエンテーション    
職場訪問によるチェックリスト実習      
基本原則と良好事例による技術セッション -物の運搬と保管 -ワークステーション -機械安全 -作業場環境 -福利厚生施設と作業編成 -環境保護(オプションとして)  
フォローアップ活動の計画  

 これらの各セッションはふつうトレーナーによるプレゼンテーション、小グループによるグループ討議、グループ討議の結果発表を含みます。

1)チェックリスト実習:

選ばれた職場を訪問して、参加者はチェック記入のために職場を巡回し、実際の作業工程を観察して、チェックリストの各項目に記入します。その後、参加者は訪問した職場の「3つの良い点」と「3つの改善アクション」について小グループで討議します。(参加者はチェックリストの使い方を学習します)

2)技術セッション:

各技術セッションでは、トレーナーは地域や職場の良好実践事例を示しながら、各技術領域について、基本的な職場改善および人間工学の原則をプレゼンテーションします。そして、技術領域ごとに参加者は訪問した職場の「3つの良い点」と「3つの改善アクション」について小グループで討議します。(参加者は応用し易い改善の原則と、現場の状況にあった改善の方法を学びます)そして、討議結果を発表します。

-物の運搬と保管

-ワークステーション

-機械安全

-作業場環境

-福利厚生施設

-チームワーク(作業編成とコミュニケーション)

-環境保護(オプションとして)

 トレーニングプログラムの時間の都合上、いくつかの技術領域を、一緒にする場合があります。(例,ワークステーション+機械安全、作業場環境+福利厚生施設、もしくは福利厚生施設+作業編成等)

3)改善実行のためのまとめセッション

 現実的な改善をするためのヒントを学ぶために、参加者は小グループに別れて、訪問した職場の「3つの良い点」と「3つの改善アクション」について最終提案をします。結果は発表され全ての参加者によって討議されます。

4)フォローアップ活動計画等:

 参加者は各グループに分かれフォローアップ活動計画について話し合います。(例,改善事例の収集方法、短期間トレーニングの企画)結果は最終の全体討議で発表されます。  また、セッションの間に最近トピックとなっている話題のプレゼンテーションや身体のエクササイズ、短時間のゲームなどを挿入することは有効です。トレーニングの評価をすることもたいへん大切なことです。